株式会社サカタ製作所 企業向けモバイルアプリ開発ツールとして新しく登場したばかりの「PowerApps」を自社向けに活用

Office 365(クラウド)経由でオンプレミス内のデータベースへ接続し、既存データを基に外出先からスマートフォンで在庫確認ができるシステムを構築。顧客対応のスピードアップを実現しました。

「攻めのIT経営中小企業百選2017」発表会
■強みを伸ばし競争力を高める 「新しい IT」の積極導入
経済産業省が企業の戦略的IT活用を促進する「攻めのIT経営中小企業百選2017」に選出された株式会社サカタ製作所(以下サカタ製作所、本社:新潟県長岡市)。社内の業務効率化・コスト削減を中心とした「守り」の姿勢だけではなく、新たな価値創出・競争力の強化を目指した「新しいIT」を積極的に導入。「攻め」の姿勢を活かし、事業のトップシェアとして販売拡大を伸ばしています。

同社とティーケーネットサービスの出会いは2011年にさかのぼります。当時、発表されたばかりのマイクロソフトクラウドサービス「Office 365」を導入。場所を問わないメールやグループウェア、ビデオ会議などの活用により、情報の共有・伝達が迅速に進むようになりました。その後も 社内 SNSによる営業報告、グループチャットを利用したプロジェクト管理など、Office 365 の新機能を積極的に採用し、継続的な改善に取り組み続けています。

導入時の取り組み

■アプリランチャーに見慣れないアイコン
Office 365 の特徴の一つは、定期的なアップデートによって新しい機能が自動的に追加される点です。「一昨年の秋頃でしょうか。Office 365 のアプリランチャーに突然PowerApps のアイコンが表示されたのです。コレは何だ?と気になり、ネットで検索したのがきっかけでした」ITシステム課課長 樋山智明氏は当時を振り返ります。

自社データを経営指標や営業で利用できるよう、基幹システムのデータを Excel で抽出・加工、社内ライブラリへ公開していましたが、外出先で簡単に見たいという要望があり、課題となっていました。

PowerApps を調べると、マイクロソフト社が提供する、モバイルアプリケーション開発ができるサービスでした。「PowerApps であればスマートフォンで外出先からも必要なデータを確認することができ、IT活用の更なる効果が期待できる!」樋山氏が気になるツールとして PowerApps を意識した瞬間でした。

■誰でもアプリ作成にトライ!
サカタ製作所では、2016年頃から営業部門を中心にスマートフォンが支給され、外出先で Office 365 のメールやグループウェアを利用する「モバイルワーク」が広がりつつありました。しかし、基幹システムのサーバーはオンプレミス(社内)にあり、外出先から営業担当者が在庫を確認するときは、社内LANに接続できるPCでないとアクセスすることができませんでした。そのため、お客様からの問い合わせがあった際は、外出先から事務担当者に電話で確認することが度々あったそうです。

「スマホから在庫を見られるようにしてほしい」
ある日の営業会議でこんな要望が出ました。樋山氏は PowerApps を思い出し、自社でアプリ開発ができないか検討しました。

ITシステム課メンバーの開発スキルは、サポート業務と業務改善のためのプログラミング程度でしたが、PowerApps は PowerPoint とExcel を組み合わせたような操作感覚で「これなら自分たちでもできそうだ」と実感したそうです。

■Office365ユーザーは新たなライセンス不要
「Office 365ユーザーは PowerApps を追加費用なしですぐに利用できる」ことも決め手との一つとなりました。PowerApps では、ユーザーごとにライセンスが付与されます。 サービスにアクセスしてアプリ作成と実行を行うユーザーには、それぞれライセンスが必要となりますが、サカタ製作所が契約している Office 365には あらかじめ PowerApps for Office 365 が含まれていたので、すぐ Power Apps を利用できました。Office 365 にサインインをしてから利用するため、セキュリティ面での心配もありませんでした。

■さくっとモバイルアプリ開発?
アプリ開発の担当は、プログラミング経験の一番少ないメンバーに任せることにしました。「PowerApps は今回初めて扱う開発ツールなのでスタートラインは皆一緒でした。全員が同じレベルであれば、開発経験の無いメンバーにチャレンジして欲しいと思いました。成功すれば、ITシステム課全体の技術力向上に繋がると思ったのです」(樋山氏)

しかし、実際の開発はそんなに簡単なものではありませんでした。発表間もない製品のため、何か調べようにも具体的な情報がほとんど公開されていなかったのです。Microsoft Technet(マイクロソフトのITプロフェッショナル向けサービス)の技術情報も自動翻訳されているものが多く実用的ではありませんでした。

頼りになったのは Microsoft サポートオンライン窓口です。「当社は Office 365 Enterprise 契約をしていたので、24時間365日対応でサポートして頂きました。サンプルプログラムのコードを提供してもらい、ようやく使い方を理解できた関数も少なくありません」(ITシステム課 栗林昴之氏)

導入の効果・今後の展望

在庫検索アプリのスマートフォン画面
■最新在庫はスマホで即チェック!
そんな苦労や困難を乗り越え、2017年8月に在庫検索アプリが完成しました。営業担当者は、最新の在庫情報(5分間隔で自動更新)をスマートフォンから即チェックできるようになりました。外出先でのお客様から問い合せはその場で回答できるため、受注獲得につながり、大きな成果を挙げています。

「実際に利用した営業担当者からは"基幹システムの検索よりもサクッと簡単に操作でき楽になった!"という声をいただきました。スマートフォンの活用により、顧客対応が迅速化でき、顧客満足度の向上につながりました」営業現場での気づきと Office 365の活用が、顧客満足を高める結果となり大きな収穫になったといえます。

■今後の展望
「一つ目は、ITシステム課の PowerApps アプリ開発スキルを上げ、改善の気づきをすぐに具体化できるようにし、全社改善活動を活発化することです。二つ目は、Flowの活用です。Flow も PowerApps と同様、Office 365 で提供されているサービスで、いろいろなデータソースをつなぎ、自動化するものです。例えば、ツイッターの投稿を「サカタ製作所」のキーワードで検索し、該当したらメールで受信する、という操作も自動に処理できるようになります。転記作業をなくし、様々な情報をつなぐことで1つのアプリに集約させる。間接作業を軽減させ、ネクストアクションへ導く。モバイル対応をベースとした自社開発を活かし、当社なりのデジタル・トランスフォーメンションを進めていきたいと思います」(樋山氏)

サカタ流「攻めのIT」、ITシステム課の挑戦はまだまだ続きそうです。

導入のポイント

<PowerAppsを選択した理由>
・Office365を導入していたため、追加費用を掛けずに利用できる
・特別なプログラミング知識・経験がなくとも直感的に構築することができる
・スマートフォンなどで使うモバイルアプリも簡単に構築できる

<課題>
・外出先から最新情報を知ることができず手間がかかっていた
・データを二次加工する手間がかかり、時間の効率が悪かった
・最新情報をすぐに発信できるツールが必要だった

<対策>
・社外のスマートフォンから自社情報が見られる仕組みを構築した
・営業・経営ツールとして、データ二次加工の手間を削減した
・情報が無いため、Micosoft サポートオンラインに問い合わせ情報を得た

<効果>
・従来よりもスピーディに検索ができるようになり、すぐ情報を得られるようになった
・利用者側から活用しやすいと好評を得られ、業務の効率化に繋がった
・顧客対応が早くなり、顧客満足・売上向上に繋がった
 

本事例で紹介した製品とサービス

 

企業プロフィール


株式会社サカタ製作所

本社所在地:新潟県長岡市与板町本与板45
設         立:1973年(昭和48年)1月24日
従業員数 :138名(2011年12月)
事業内容 :公共産業用(非住宅向け)金属製折板屋根構成部品・ソーラーパネル取付金具・架台の設計、開発、製造、販売、施工指導

http://sakata-s.co.jp

  • ITシステム課 課長 樋山智明氏
  • ITシステム課 栗林昴之氏

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